製品情報管棒製品アルミナ分散強化銅(ODS)

アルミナ分散強化銅(ODS)

アルミナ分散強化銅(ODS)は、800度の高温下でも他の銅合金と比べ軟化しにくい優れた耐熱性と、IACS80%以上の高い導電率を持つ電極材料/導電材です。他の銅合金では相反する高強度と高伝導率の特性を持つことから、EV自動車の抵抗溶接・スポット溶接用電極材料、リレー接点、耐熱基板などの各種電子部品、補強材料として使用されています。

アルミナ分散強化銅の塑性加工技術が強みです。大径から細径、異形まで多様なサイズの加工が可能です。

用途

電子部品 ろう付けしても硬さを保ちます
接点部材 高温でも硬く、溶着しない接点
補強材料 高温ヒートシンクのネジ座
スポット溶接電極
水冷できない細い電極
ニッケル系材料/ステンレス/各種メッキ材

加工範囲

線・棒材 φ0.15mm~φ50mm(±10~30μm)
直管・直棒 500mm~6000mm
長尺コイル品 φ300巻、φ800巻で約20kg分

アルミナ分散強化銅(ODS)は優れた高温強度と軟化しにくい特性をもつ金属材料

熱対策部品に最適で高電流・高温環境にも強い

ODSと銅材料の材質特性の比較

ODS材料(酸化物分散強化材)は銅に微細な酸化物(酸化アルミニウム、酸化チタンなど)を均一に分散させた合金です。

ベリリウム銅やクロム銅、無酸素銅(不純物が極めて少ない)と異なり、高い導電性を維持しながら高温強度や耐食性・クリープ特性に優れる点が特長です。特に、ベリリウム銅は価格が高い、クロム銅は硬度と耐熱性に優れるが、ODSよりも高温下で軟化、無酸素銅は加工性と熱伝導性に優れますが、ODSはさらに高音での高い強度、より耐熱性に優れており信頼性が高く、通電部材に適しているといった特長があります。

小型化・軽量化・異形・クラッドで次世代分野にも貢献

高強度化により、無酸素銅と同等の性能を発揮しつつ材料を薄く・小さくできるため、コスト削減や製品の小型・軽量化に貢献できます。

当社の塑性加工技術を活かして、大径・小径から異形まで様々なODS管棒材料を製造しています。次世代のエネルギー分野(原子力、燃料電池など)、自動車(抵抗溶接用電極)、航空宇宙、高性能電子部品など、過酷な環境で使用される各種構造材や機能材への展開、新規開発に貢献します。

ODSと銅材料の材質特性の比較

※上記「材質比較表」の数値は自社調べによるものです。
当該数値は参考値であり、性能を補償するものではございません。

精密切断など導電材料/アルミナ分散強化銅の精密加工と品質管理

耐熱性や強度の高さから加工が難しい材料として知られるアルミナ分散強化銅ですが、独自の技術でご要望に合わせた塑性加工や超精密切断が可能です。また貴重な材料を扱ううえで、各工程での厳しい品質管理を行い、高品質な製造を徹底しています。

アルミナ分散強化銅(ODS)材料の精密切断以外にも、導電材料/電極材料などの加工についてもご相談ください。

精密切断による電子部品の大量生産

精密切断による電子部品の大量生産

精密切断など導電材料/アルミナ分散強化銅の精密加工と品質管理

高品質な材料調達/品質管理工程

アルミナ分散強化銅が拓く、新たな可能性

私たちがご提案するアルミナ分散強化銅は、従来の材料が持つ限界に対し、新たな選択肢をご提供します。純銅の内部にナノサイズのアルミナ粒子を分散させることで、高温下でも「高い電気伝導性」を保持したまま「優れた耐熱性」と「機械的強度」を獲得しました。これは、既存の銅合金では難しかった、性能のバランスを再定義するものです。

アルミナ分散強化銅の主な特性と用途

卓越した耐熱性

アルミナ分散強化銅は、高い温度環境下でも強度低下が起こりにくく、酸化による劣化が抑制されることで、長期間にわたり計画寿命を維持することを活かし、エネルギー分野など熱にさらされる部品の耐久性向上にご利用いただけます。

熱伝導性・電気伝導性の保持

純銅と同等の優れた伝導性を持つため、材料内部で発生した温度差が、高温部から低温部へスムーズに熱が移動する能力を維持します。熱を効率的に管理する必要がある用途、高温にさらされるジェットエンジンの部品や、高音でも電気伝導性を保持したい放熱材・電子部品の性能を保つ材料に適しています。

優れた耐摩耗性

ナノアルミナ粒子による強化により、摩耗に強く、部品の寿命延長に貢献します。熱による軟化が少なく、摩耗しにくい特性が求められるEVのスポット溶接用電極として広く利用されています。

高温・高圧にさらされる航空機部品や、化学プラントでの高温の流体や腐食性環境下での摩耗に強い部品などの寿命を延ばし、過酷な環境で稼働する機器の耐久性/信頼性を向上させます。

半導体製造装置への応用例

近年、半導体製造装置の製造プロセスでは、ますます高温・高負荷な環境が求められています。特に、高温下で稼働するコイル材などは、熱による変形や劣化が課題となることがあります。

アルミナ分散強化銅は、その高い熱伝導性と高温での強度維持能力から、このような課題に対する有力な解決策の一つとなり得ます。熱を効率よく放散しながら、コイルとしての形状を維持し続けることで、装置の安定稼働と長寿命化に貢献できる可能性があります。既存の設計や製品でお悩みの点がありましたら、アルミナ分散強化銅がその解決策の一つとなるかもしれません。

まずはお気軽にご相談ください

アルミナ分散強化銅(ODS)について、具体的な用途や技術的なご要望、あるいはクラッド材/複合金属材料、加工に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。専門知識を持つ技術スタッフが、お客様の具体的な課題に対し、最適なソリューションを共に考え、ご提案させていただきます。

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電話受付:月~金 8:30~17:15

但し、祝祭日および
年末年始、GW、夏季休業期間は除きます。

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加工技術

  • 冷間引抜
  • スエージング
  • 直線化
  • 矯正
  • 切断
  • 熱処理
  • 脱脂洗浄
  • 研磨

機能特性

  • 電気伝導性
  • 耐熱性
  • 高寿命
  • 高寸法精度
  • 品質安定

産業分野

  • 電極用
  • 自動車

新製品/技術情報

新製品情報をはじめ、関西パイプ工業が長年培ってきた機能材料の知識と加工技術や金属材料の分析・評価技術をご紹介します。お客様の研究開発支援やものづくりの課題解決にお役立てください。

   

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